19.日本のティシュ・トイレットペーパーの生産地

日本家庭紙工業会の統計によると、衛生用紙(ティシュ、トイレットペーパーなど)の抄造事業所(工場)は、全国に大小合わせて103箇所(2018年6月現在)あります。中でも静岡県に41箇所もの事業所があり、特に富士市、富士宮市周辺に集中しています。
ティシュ、トイレットペーパーに限らず、紙の製造には原料の溶解~抄紙の工程で大量の水を使用します。富士地域は、富士山の雪解け水など湧水が豊富なこと、最大の消費地である(同時に再生紙原料の最大の発生地でもあります)首都圏から東名高速などで100km程度と近く、同様に名古屋や関西へも比較的行きやすいことなどが、工場が集中する要因となっています。
また、江戸時代中期に富士川上流地域で紙すきが行われ「駿河半紙」として江戸にも流通されていたことや、明治から昭和初期にかけて製紙工場が相次いで設立されるなど、古くから地場産業としての基盤もあったようです。
四国(愛媛県、高知県)にも28箇所と多くの事業所がありますが、こちらも水が豊富な地域という共通の特徴があります。

2019.10.21